火星より更に太陽系の外側には、小惑星帯があります。その更に外側を回るのが木星です。惑星まで距離は簡単に想像し難いものがありますが、日本のJAXAは、JUICE探査機を2022年に打ち上げ、2029年に木星系に到着、2032年に衛星ガニメデの周回軌道への投入が予定されています。
JUICE探査機が木星を目指す!

木星の衛星たちは氷と岩石でできています。その内部では氷が溶けて、広大な液体の海が広がっています。そこには、なんと地球外生命が存在する可能性もあるのです。
JUICEのサイエンス – JUICE-JAPAN
木星には、イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストという4つの大きな衛星があります。そして、そのうちのイオ以外の3つには、内部に地下の海が広がっていると考えられています。さらにエウロパからは、地下の海水が宇宙空間に噴き出しています。
地下の海の環境はどのようなものなのでしょうか?地球の海と似ているのでしょうか?生命が存在できる条件は整っているのでしょうか?


JAXA、JUICE探査機を2022年に打ち上げ、2029年に木星系に到着、2032年に衛星ガニメデの周回軌道へ
木星氷衛星探査計画 ガニメデ周回衛星 JUICE
ESA(欧州宇宙機関) が主導する大型木星氷衛星探査計画であり、欧州各国をはじめ、日本や米国が参加する史上最大級の国際外側太陽系探査。木星の成り立ちや宇宙における生命存在可能性に迫ることを目指す。
今から400年前、天体望遠鏡を木星に向けたガリレオ・ガリレイは、木星の周囲を巡る4つの天体を発見しました。今では木星のガリレオ衛星として知られているイオ・エウロパ・ガニメデ・カリストの発見は「天動説」から「地動説」への大転換へとつながることになりました。
木星氷衛星探査計画 ガニメデ周回衛星 JUICE | 科学衛星・探査機 | 宇宙科学研究所
木星氷衛星探査計画 ガニメデ周回衛星 JUICE (Jupiter Icy Moons Explorer)は、ESA(欧州宇宙機関) が主導する大型木星氷衛星探査計画で、木星の成り立ちや宇宙における生命存在可能性に迫ることを目指した史上最大級の国際外側太陽系探査ミッションです。
JUICEが目指す木星は、太陽系最大の惑星で、太陽系がどのようにしてできたかを理解するための鍵を握っています。木星がどこでどのようにしてできたかの記録を残すガリレオ衛星を調べることで、私たちの太陽系と、太陽系外で続々と発見される「系外惑星系」の成り立ちを知る手がかりが得られます。
JUICEはミッションの最終段階でガニメデの周回衛星になります。ガニメデは太陽系最大の衛星で、太陽系にある衛星ではただひとつだけ、地球と同じような固有の磁場をもっています。また、ガニメデやエウロパは、内部に液体の海を持つ可能性のあることが最近の研究からわかってきました。その海底には地球の深海の熱水噴出孔のような生命を育む環境が存在するかもしれません。
地球から打ち上げられたこれまでの木星探査機たち
太陽からのおよその距離は、水星が0.387AU、金星が0.723AU、火星が1.524AU、木星は、5.203AU、土星が9.537AU、天王星が19.191AU、海王星が30.069AUとなっています。木星は遠いだけでなく、水星・金星・火星とは異なるタイプの惑星です。木星の直径は実に地球の11倍以上、重力も2倍以上で、非常に強い磁場が存在し、探査船の観測成果としてオーロラも計測されています。これまでの木星探査機は下記の通りです。
パイオニア10号 1972年03月02日打ち上げ

パイオニア計画の10号機として、1972年3月2日にケープカナベラル空軍基地第36発射施設よりアトラス・セントールロケットにて打ち上げられた。1973年12月4日に、木星へ約20万キロメートルまで最接近し、木星やその衛星の画像を送信するとともに、木星の強大な磁気圏やヴァン・アレン帯の観測を行った。パイオニア10号はこの木星への接近によって太陽系を脱出する双曲線軌道へと乗った。
当初の想定では、パイオニア10号からの信号を受信できる距離は、太陽から木星までの距離の2倍になる前であった。しかしながら、打ち上げ後の地上設備の改良により、パイオニア10号からの信号は想定していた受信可能距離を超えても受信可能となった。そのため、その後も科学観測ミッションは継続可能となった。この観測ミッションは、海王星の軌道を横断した1983年6月13日を大きく越え、1997年まで継続された。その後もパイオニア10号との交信は断続的に試みられ、パイオニア10号からの送信は打ち上げから約30年間に渡って確認された。信号の途絶えた日は2003年1月22日である。この日におけるパイオニア10号の太陽からの距離は海王星の約2.7倍にあたる82.1天文単位 (au) であった。パイオニア10号からの信号は極めて微弱になっており、パイオニア10号内部の電力供給は十分に行われていないと判断された。打ち上げから34周年にあたる2006年3月3 – 5日に信号送信を確認する最後の試みが行われた。しかしながらパイオニア10号からの応答は得られなかったことから、その日をもってパイオニア10号の運用は終了となった。太陽系を脱出する軌道にある4つの探査機と年ごとの位置(1992年まで)。
パイオニア10号は、後にボイジャー1号に抜かれるまでは、地球から最も離れた地点に到達した人工物だった。
パイオニア10号 – Wikipedia
パイオニア11号 1973年04月06日打ち上げ

パイオニア11号は、1973年4月6日にケープカナベラル空軍基地第36発射施設より打ち上げられた。1974年12月4日には木星に最接近し、3万4千キロメートルまで近づいた。その後、木星重力を利用したスイングバイを行い、土星へ向かった。1979年9月1日に土星へ2万1千キロメートルまで接近し、E環、F環およびG環を発見している。これらの成果は続くボイジャー計画にとって、大きな参考となった。
探査機本体は、パイオニア10号とほぼ同等であり、6角形の形状をしている。直径2.4 mの大型パラボラアンテナを有しており、本体から伸びた3本のブームの先には、プルトニウム238を利用した原子力電池2基と磁力計が取り付けられている。観測機器としては、磁力計の他、赤外線放射計測器、紫外線計測器、放射線計測器、カメラなどである。また、姿勢制御用の小型ロケットとカノープス感知器・太陽感知器が装備されている。
パイオニア11号 – Wikipedia

地球外生命へ向けたメッセージとして、人類や太陽系を描いた金属板が取り付けられている。
ボイジャー1号 1977年09月05日打ち上げ

ボイジャー1号は1977年9月5日に打ち上げられ、2020年現在も運用されている。同機は地球から最も遠い距離に到達した人工物である。
ボイジャー1号の最初の目標は木星と土星及びそれらに付随する衛星と環であった。2004年12月、太陽系外に向かって飛行中、太陽から約140億km(約95AU)の距離で、太陽風の速度がそれまでの時速112万kmから16万km以下に極端に落ちた。また太陽系外の星間物質(ガス)が検知されたことから、末端衝撃波面を通過して太陽圏と星間空間の間の衝撃波領域であるヘリオシースに入ったことが判明し、研究者が星間物質の状態を直接観測したデータを初めて得ることができた。2012年6月、NASAによって、ボイジャー1号が太陽系の境界付近に到達したことが公表された。8月25日頃には太陽圏を脱出し、星間空間の航行に入っていることが発表された。
ボイジャー1号 – Wikipedia
ボイジャー2号 1977年08月20日打ち上げ

ボイジャー2号 は、NASA により1977 年 8 月 20 日に打ち上げられた、木星よりも遠くの外惑星及び衛星の探査を目的として開発・運用されている無人宇宙探査機である。ボイジャー計画の一環として、姉妹機であるボイジャー1号の16日前に打ち上げられた。木星と土星に到達するのに時間はかかったが、さらにその先の天王星と海王星の接近に成功した。巨大氷惑星を訪れた唯一の探査機で、また木星・土星・天王星・海王星の「グランドツアー」を初めて実現した探査機となった。また、ボイジャー1 号 と同様に、はるか先に存在しているかもしれない地球外知的生命体の探査のためボイジャーのゴールデンレコードと呼ばれる、地球の生命や文化を伝えるためのレコードを搭載している。
その主な任務は、1979年に木星、1981年に土星、1986年に天王星を訪問した後の1989年10月2日の海王星探査に伴って終了した。ボイジャー2号は現在、 43年5か月と 1日間稼働し続けており、ディープスペースネットワークを通じて通信を行っている。
ボイジャー2号は2018年末時点で、太陽からの距離は119 au (178億 km)で、太陽に対して15.374 km/s (55,347 km/h)の速度で移動しており、太陽系を脱出する5つの探査機のうち、4番目に太陽系の脱出速度を達成した探査機である。2018年12月、ボイジャー2号が2018年11月5日に太陽圏(ヘリオスフィア)を離脱して恒星間空間に達したと公式に発表された。
ボイジャー2号 – Wikipedia
ユリシーズ 1990年10月06日打ち上げ

ユリシーズ とは太陽の全緯度領域を調査する為に設計された無人探査機である。オデュッセウスのラテン語訳から名付けられたこの探査機は、1990年10月6日にスペースシャトル・ディスカバリーのSTS-41ミッションでNASAとESAの共同事業として打ち上げられた。当初の予定では1986年にチャレンジャーで打ち上げられる予定だった。探査機の搭載機器は粒子や塵を計測する装置で、電力はプルトニウム238の放射壊変による熱で発電する原子力電池 (RTG) から供給される。
2008年2月以降はRTGの出力低下によって姿勢制御用燃料の凍結を防ぐためのヒーターを作動させることが難しくなり、2009年6月30日をもって運用を終了した。1992年2月8日、ユリシーズは黄道面に対する軌道傾斜角を80.2度まで増やすためのスイングバイを行うために木星に到着した。巨大惑星の重力はユリシーズの軌道を曲げ、黄道面に対して下向きの力を加え、太陽の北極と南極を周回する最終的な軌道へ乗るための軌道修正を行った。軌道の形と大きさはほとんど変化しなかったので、遠日点はおよそ5AU、近日点は太陽から地球までの距離である1AUよりやや大きい程度のままだった。
ユリシーズ (探査機) – Wikipedia
ガリレオ 1989年10月18日打ち上げ

ガリレオは、1989年10月18日にアメリカ航空宇宙局 (NASA) が打ち上げた木星探査機。1995年12月7日に木星周回軌道に到達し、2003年9月に木星大気圏へ制御落下させられるまで、木星とその衛星の観測を続けた。名前は天文学者のガリレオ・ガリレイにちなむ。
当初、1986年5月にスペースシャトルで打ち上げられ、セントールによって木星へ直行する軌道に乗る予定であったが、チャレンジャー号爆発事故によって打ち上げは延期された。また、液体燃料を使用するセントールをスペースシャトルに搭載する計画は液体燃料が危険との判断から変更された。液体燃料ロケットであるセントールよりも比較的安全だとされる固体ロケットの慣性上段ロケット (ISU) を用い、木星へ直接向かう代わりに一旦逆の金星に向かい、金星、地球、地球とスイングバイを行って増速する方法を用いて木星に向かった。この方法は VEEGA (Venus Earth Earth Gravity Assist) と呼ばれる。また金星周辺を通ることとなったため、強烈な太陽光線からの保護を目的として、全体が「日よけ」で覆われた構造となった。
ガリレオ (探査機) – Wikipedia
- 1995年12月7日、プローブが木星大気圏に突入し、57分後に通信途絶するまでデータを送り続けた。また同日、オービターも木星の周回軌道に入り、それから7年余りに渡って木星や各ガリレオ衛星、アマルテアなどへの接近観測を繰り返す。
- 2000年12月、土星探査機カッシーニが木星スイングバイを行う際に木星の磁気圏を共同観測する「ジョイント・ミッション」を行う。
- 2003年9月21日、当初の予定よりはるかに長期間のミッションを経て、木星大気圏に突入することとなった。これは姿勢制御用燃料の尽きたガリレオが衛星のどれか、特に生物が存在する可能性があると考えられているエウロパに落下した場合、探査機に付着している地球の微生物が衛星の環境を汚染してしまう恐れがあったからである。
ニュー・ホライズンズ 2006年01月19日打ち上げ

ニュー・ホライズンズ はアメリカ航空宇宙局 (NASA) が2006年に打ち上げた、人類初の冥王星を含む太陽系外縁天体の探査を行う無人探査機である。
本体の質量は465kg(推進剤77kg含む)。本体を軽量にして、生じた余裕は速度の向上に充てられた。発射後9時間で月軌道(地球から約38万km)を通過し、13ヵ月後に木星をスイングバイした。月軌道および木星までの所要期間は史上最短である。
太陽から遠く太陽電池を使えないため、原子力電池を搭載している。また、冥王星軌道からの通信速度は僅か800bps弱となるため、64Gbit(8GB)相当のフラッシュメモリを搭載し、冥王星探査で取得したデータはメモリに蓄積して、数ヶ月かけて地球へ送り届ける。
ニュー・ホライズンズ – Wikipedia
ジュノー 2011年08月05日打ち上げ

ジュノー (Juno) は、中規模の太陽系探査を行うニュー・フロンティア計画の一環として2011年8月5日に打ち上げられたNASAの木星探査機である。当初の打ち上げ予定は2009年6月だったが、予算の都合により延期された。2016年7月5日には木星の極軌道への投入に成功した。今後は木星の組成、重力場、磁場、極付近の磁気圏の詳細な調査を行う予定である。
ジュノーには、木星の衛星を発見したことで知られるイタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイを記念するプレートと、ローマ神話の神ジュピターとその妻ジュノー、およびガリレオを模したLEGO人形3体が搭載されている。
ジュノーは2011年8月5日、アトラスVロケットで打ち上げられた。 2012年8月30日、地球スイングバイへ向けた最初の軌道修正が行われたが、エンジンの噴射後に推進剤の圧力が想定より高くなるトラブルが発生したため2度目の軌道修正を延期した。10日後の同年9月14日に2度目の軌道修正が行われた。 2013年10月9日、ジュノーは地球表面から558kmまで接近し、スイングバイで時速12万6000kmから時速14万kmに加速した。最接近の10分後ジュノーは何らかの故障を検知してセーフモードになり10月11日までこの状態が続いたが、軌道の変更自体は成功しジュノーは木星へ向かう軌道に乗った。2016年7月5日に木星を周回する軌道に入った。53日間の軌道を3度周回し、2016年12月11日にサイエンス軌道と呼ばれる14日間の極軌道に入る予定だった。しかしジュノーのメインエンジンに問題があると懸念されたため、12月11日の軌道投入を中止し、ジュノーは木星の探査活動を53日間の軌道上で行うこととなった。今回のミッションは、木星の起源と進化を明らかにすることで、太陽系の始まりについての理解を深めることが目的とされている。
2017年2月18日、NASAはジュノーが同年2月2日に木星の南極上空を通った際に撮影した木星の写真を公開した。
ジュノー (探査機) – Wikipedia
ジュノ―は木星での37回の周回を終え、2018年2月に終了する予定だったが、NASAは2021年7月までのジュノーの運用期間延長を承認した。現在、ジュノーには運用終了からデータ解析を含めたミッション終了の2022年までの資金が提供されており、これによってジュノーは主要な科学目的を達成することができる 。ジュノーは、任務を終えたとき意図的に木星の大気圏に突入させ処分することになっている。これは、ジュノーに付着している地球の微生物を生命の存在の可能性があると考えられるエウロパに持ち込み、エウロパの環境を汚染してしまう危険性を排除するためである。
ジュノー (探査機) – Wikipedia
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